hikitatebito’s blog

日々の出来事や思ったことを綴ろうかなと思います

思い出すのは過去の失敗ばかり

高校生の頃の私はわりと真面目で、基本的には無遅刻無欠席、3年間運動部に所属して汗水流していましたが、2回だけ寝坊して遅刻したことがあります。

 

1回は模試の時。目が覚めると国語の模試が終わりを迎える時間でした。焦って自転車をぶっ飛ばし、友達に「寝坊した〜」などとヘラヘラ笑っていた記憶があります。しかし模試は普通の授業とは違う扱いのため、遅刻カウントするかしないかで言えばギリギリしないくらいの感じでした。

 

2回目は定期テストの時。しかもよりによって成績があまり良くなかった数学Bのテストの時でした。起きた瞬間に「あ、寝坊した」と沸き起こる謎の強い確信。時計を見ると2時間目の英語のテストが始まる時間でした。数学はもう終わっている、完全にアウトだ。冷や汗の量が過去最高を記録した記念すべき瞬間です。とりあえず学校に連絡しなければと思い、寝坊したことと今からすぐに向かうことを早口で電話し、自転車をぶっ飛ばしました。あの時は時速50キロくらいは出ていたのではないかと思います。

髪の毛も制服も乱れた状態で職員室に駆け込むと、おそらく事情を聞いていたのであろう先生がとても優しい口調で「とりあえず教室に向かいなさい。開始してからまだ25分経ってないから今からでもテストは受けられますよ」とおっしゃりました。普段は無愛想で、己の機嫌の悪さを生徒に軽くぶつけてくるような先生からまさか優しい言葉をかけられるとは思っていなかったので、そのギャップに胸を射抜かれそうになりました。が、今はそれどころではありません。まだ進路も決まっていないいたいけな高校生の成績がかかっているのです。なるべく静かに目立たないようにそろりそろりと教室に入り、手の震えを必死で抑えながらなんとかテストを受けました。

 

しかし地獄はここから始まるものです。

数学Bのテストは受けられなかったので確実に0点。このことをどうして親に伝えようか。担任の先生からは「親御さんびっくりするだろうから事前に伝えときなさいよ〜」と言われました。生まれてこのかたテストで0点なんてとったことがない17歳の私にとって、これは人生最大の汚点であり爆弾級の事件であると、当時は本気で思っていました。(数ヶ月後に無断アルバイトがばれて親呼び出しされるなんてことは知るよしもない)

こういうことは先延ばしにせず早く伝えたほうがいいと考えた私は、その日の晩湯船に浸かりながら最初の一言をどうするかずっと考えていました。心配事があると胃が痛くなるということを、この時初めて体験しました。私の親は躾や教育に厳しいということはありませんでしたが、怒らせると叩かれ蹴られと、力で訴えてくるタイプだったのでとくに子供の頃は非常に恐ろしい存在でした。ああでもないこうでもないと考えているうちにお湯もすっかり冷めてきてしまったので、腹をくくって風呂から上がり、リビングへ向かいました。

お酒が入って少し上機嫌な親の元へ行き、強ばった表情で「今日寝坊して数学のテストが受けられませんでした」と伝えました。するとさっきまでの朗らかさが一瞬にして消え失せ、冷めた鋭い表情に変わっていきました。この時何か言われたのですが、恐怖のあまり内容を全く覚えておりません。話が終わるとすぐに2階の自室にこもりました。叩かれずともこんなにも精神的、肉体的にダメージをくらうのかと震えながらベッドに潜り込んでいました。

 

結局、今回の事件が成績に大きく関与することはありませんでした。その後は希望する大学に推薦で合格し、無事に卒業することができました。当時の私はすごく真面目で素直でした。大人になった今、仕事を無断欠勤したり遅刻したりすることはないものの、普段の生活はすごくだらしがないし煙草は吸うしお酒も飲みます。そんな私を、17歳の私が見たらどう思うだろう。親を反面教師に、お酒と煙草は絶対やらないと誓っていたのに。

大人になった私からは、人生まあまあ色々あるものだよとだけ伝えたいです。